お店のオープンにあたり、地元和歌山で自分になにができるのか?を自問自答した結果、地元和歌山が誇る特産品をふんだんに使い、地元の方だけではなく、県外の方々にも広くアピールすることで、和歌山の活性化に繋げようと決意しました。私は、地元和歌山県出身で、製菓学校を卒業後、関東、関西の有名パティスリーで10年間の修業を経た後、このラッフィナートのオープン以来シェフを務めています。
和歌山県は緑濃い山々、清らかに流れる河川、黒潮の海など豊かな自然に囲まれ、気侯も温暖で、年間を通して農作物を実らせる豊穣の大地に恵まれています。そこでまず注目したのが、岡養鶏場の「紀州うめたまご」。和歌山県下では高価ながらも、普通に売られているのに、県外の人にはほとんど知られていない幻の卵。でも、この「紀州うめたまご」を使ったケーキの生地は、生地の立ち方が普通の卵とは格段に異なり、卵の臭みが全く感じられないんです。味も濃厚かつクリアでキレが良く、私のイチオシ素材なんです。 普通の卵とこの「紀州うめたまご」を使った2種類のプリンを販売したところ、味に正直な子どもさんが、「うめたまごの方がいい」と飛びつくほどの美味しさなんですよ。
つぎに注目した和歌山の素材が、幻とも言われる「みかん蜂蜜」。この蜂蜜は、毎年5月のみかんの花が咲く時期にだけに採取され、他の花の蜜が混合しないとても稀少価値の高い蜂蜜。他の蜂蜜に比べ後味がスキッときれ、爽やかな味わいに仕上がるんです。海南市・寺尾牧場で生産されたノンホモ牛乳も、昔ながらのコクのある味わいの牛乳で、好評をいただいています。
これらの私が惚れ込んだ和歌山の特選素材を使って、和歌山の風土と同じく、素朴でやさしい、老若男女を問わず愛される味わいのお菓子を作っていきたいと思っています。食べ終わった後に素材のおいしさがじんわりと広がって、和歌山の美しい風景が脳裏に浮かぶような記憶に残る味を。そして生産者の方々の素材にかける愛情を受け継ぎ、心をこめて、正直にお菓子の味に表現していくことが僕の役割だと思っています。